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財団だより

理事長挨拶
 3月の理事会の決議及び評議員会への報告に基づき、5月16日より理事長を引き継ぐことになりました。
 理事会の総意として「今後長期にわたり財団事業を継続する」という方向性が示されていますので、まず財団の基盤強化に向けて収支のさらなる改善に取り組みます。しかし、財団法人の管理運営に関してはまったくの素人ですので、これまで統括してこられた井出、遠山、穂坂先生のご指導を仰ぎながら事業の見直し等を進めていきたいと考えています。
 さて、当財団は平成4年に設立されましたが、基本財産は倶進会会員による募金で造成されました。募金趣意書には、財団の設立は「本学部の若き教室員の研究助成を主目的としたものであり、本学部の明日を担う研究心旺盛な青・壮年医師群に対する最高のプレゼントで、必ず明日の本学部を支える大きな原動力の一つになりうる」と記されています。当時は大学からの講座研究費に加え日本学術振興会等の科学研究費や製薬会社等からの奨学寄付金を研究費に充てていました。若い医師にとって研究費の獲得は必ずしも容易ではなかったため財団の助成は大きな意義をもっていました。
 しかし、時代の流れにともない研究費の取得状況も大きく変わりました。平成17年の本学法人化以降は学長裁量による学術的研究推進や戦略的研究推進事業が導入され、億の単位で新たな研究助成が行われています。また、大学の国際交流事業も盛んになり、当財団が設立時から20年以上にわたりカリフォルニア大学(UCSD)の医学部教員と密に交流して学生を臨床実習に送り出してきた事業は現在大学に引き継がれています。
 このような情勢の変化を踏まえて、当財団の研究・教育助成や学生活動支援の選考・審査基準等を再検討して事業効果がより高まるよう改善したいと思います。
 一方、財団の資金源として附属2病院の売店収益が極めて重要でした。しかし、大学法人化後は大学が自らコンビニエンス・ストアや自販機を病院に設置するようになり財団が経営している売店の売り上げは激減し、これが財団にとっては大変深刻な問題になっています。
 全国の国立大学では医学部関連財団がコンビニ、医療売店、薬局、レストラン、カフェテリア経営などを行っている例も多いようです。今後、当財団もそれに倣って「収益事業を拡大する」あるいは根本的に考え方を変えて寄付金が集まりやすいとされる「公益法人化をめざす」など、収入面での見直しも必要です。
 当財団は開設以来5億6千万円もの助成を行っております。横浜市立大学や神奈川県の医学・医療分野の教育研究活動の活性化に貢献してきたと確信しています。また、今後収支両面にわたる改善に向けて財団がどのような道を選ぶにせよ、独立した財団法人として次の世代に引き継げるよう、基盤強化に鋭意努める所存です。
 財団事業の継続には倶進会の皆様のご支援が欠かせません。どうか引き続きご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。

30年度事業の概況
 平成30年度事業の概要並びに財団の現況についてご報告いたします。決算の概要は別表のとおりです。  平成30年度決算の概況
 公益事業は、平成26年度に事業規模の縮小及び事業期間の延長等を決定した計画(※公益目的支出計画)に則り、実施いたしました。( )内は29年度実績です。

 公益事業総額 2249万円7千円

 医学・医療啓発事業を除く助成の総計は、46件・2094万7千円 (47件・約2047万円) 。内訳は
 ・研究等助成 35件・1980万円 (32件・1923万円)
 ・横浜市大教育等助成 11件・約115万円(15件・約124万円)
  医学・医療啓発事業の執行額は約155万円(約143万円)です。

1 推進研究助成
  梅原清氏の御寄附によって設立された梅原基金による助成です。

  3年継続助成研究 3件(3件)
  2年継続助成研究 3件(3件)
  初年度助成研究  3件(3件)
  合計9件・900万円(梅原賞を含む10件・約1000万円)

2 わかば研究助成 11件・550万円(11件・600万円)。
  将来性ある若手研究者への助成です。

3 医療技術研究助成 5件・90万円(5件・100万円)。
  十全会基金による医師を除く医療従事者が行う実務的研究や業務改善     の企画への助成です。

4 医学・医療関連事業助成 4件・200万円(5件・193万円)。
  医学・医療領域における社会的課題に対する組織的活動の支援を目的      とする助成です。

5 指定寄附研究助成 6件・240万円(1件・30万円)。
  心臓疾患研究助成は2件各50万円の助成としました。

 このほか、腎臓がん関係1件・50万円、血液内科学関係、腎臓・循環内科学関係、胆のうがん関係の3領域それぞれに30万円を助成しました。

横浜市大教育等助成 
 大学院優秀論分賞、学生自主的活動への助成のほか、学術講演会開催助成は予算額30万円に対し、4件・18万円(2件・約8万円)でした。

医学・医療啓発事業
 財団の医学研究等の助成実績とその効果、成果をPRする広報誌「わ かば」の第2号を発行しました。見やすくわかりやすいと好評を頂きました。 

令和元年度の研究助成申請状況
 5月31日を受理期限として、各助成の申請を締め切りました。(医療技術研究助成、指定寄附研究助成は8月19日が受理期限です) 応募状況は、次のとおりです。

・推進研究助成 新 規 17件(23件)
        2年目  3件(3件)
        3年目  3件(3件)

 梅原賞対象       6件
      27年度開始 3件
      28年度開始 3件

・わかば研究助成    43件(42件)。

・医学・医療関連事業助成 6件(9件)。

 各助成の選考委員会は、医療技術研究助成及び指定寄附研究助成を除き、8月上旬までに開催され、選考結果については、順次、助成申請者に通知するとともに、次号の「財団だより」に掲載いたします。


収入に関する状況
 財団賛助会員会費・御寄附

 賛助会会費収入は302万円(年間一人1万円)で、前年度の277万円より25万円増加し、2年連続の減少が止まりました。
 会員数の内訳は新規47人、既会員255人(29年度からの継続)です。
 御寄附は三杉基金への指定寄付300万円を含めた総額は約496万円でした。前年度は約234万円でした。御寄附のうち、倶進会員、賛助会員の皆様からは約456万円でした。心から感謝申し上げます。


財団賛助会員加入・ご寄附のお願い
 財団事業を継続して行くための基盤となる財団賛助会員へのご加入並びにご寄附につきまして、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 新規会員加入とご寄附の一策として、医学部医学科新入生へPRしております。今年も倶進会主催の新入生歓迎会(5月24日)の場をお借りしまして、入学祝の記念品として広報誌「わかば」と「横浜医史跡めぐり(改訂版)」、「ハマの医学校物語(改訂版)」とともに、財団へのご協力お願いの文書をお渡しいたしました。
 既に賛助会員にご加入いただいている方へは、コンビニ併用の振込用紙とご寄付の払込用紙をお送りしております。また、新規加入と御寄附のお願い文は七月発行の事業年報に同封させていただいております。


売店の経営等
 公益事業の財源を確保するため、売店等の収益事業を行っております。30年度は29年度の純利益約1489万円から売店の経営安定化準備金を除く約1151万円を公益事業に繰り入れました。前年度の繰入金約671万円より大幅に増加していますのは、28年度から実施した抜本的な経営改善の成果です。
 「患者様のオアシス」をモットーにお客様満足度が高く、院内売店としての特色を出して売上増強に努めて参ります。引き続き財団売店をご愛顧のほど、お願い申し上げます。

今後とも財団の現状をタイムリーに報告いたしします
 財団だよりは、今回100号を迎えました。今後とも公益事業、財団の状況などをタイムリーにご報告します。財団へのご理解を深めていただければ幸いです。

 (理事長 後藤 英司)